トリビア

【電子ペーパーのトリビア Vol.6】電子ペーパーのパネル比較

前回のトリビアでは、デジタルサイネージで使用されている表示パネルについて、液晶や電子ペーパーなどの、種類ごとの違いをご紹介しました。
 
今回は、同じ電子ペーパーの中でも、表示の仕組みの異なるものについて、それぞれの特徴をご紹介いたします。

 

パネル名
画面イメージ
インク
階調
表示サイズ
解像度
更新速度
動作温度
Calta
白黒
16階調グレースケール
42
32
2160 x 2880
2560 x 1440
約0.8秒
0~50℃
Triton
白黒
フィルターカラー
4096色
32
1280 x 720
約0.8秒
0~50℃
Gallery
白黒赤黄青緑橙
32000色
25.3
13.3
7.3
3200 x 1800
1600 x 1200
800 x 480
約28秒
15~35℃
Spectra 3100
白黒赤黄
4色
25.3
3200 x 1800
約28秒
0~50℃
Spectra 6
白青赤黄
6色
31.5
13.3
2560 x 1440
1600 x 1200
約15秒
0~50℃

 

モノクロタイプ「Calta」
弊社のモノクロタイプ「EPS」では、表の最初にあります「Calta」を使用しております。
この電子ペーパーは、表示更新速度も速く、使用温度範囲も一般的な電子機器と同様ですので、幅広い用途にお使いいただいております。


Calta インクのイメージ図


 
 
フィルターカラータイプ「Triton」
この特徴を持ちつつ、カラー化に対応したものが「Triton」になります。
これは、モノクロタイプの電子ペーパーの上にカラーフィルターを貼り合わせ、液晶ディスプレイのような赤・緑・青(RGB)を表示することで色を表現しています。
 


Triton インクのイメージ図


 
モノクロタイプと同じ原理で表示を行うため、カラー電子ペーパーの中では最も表示更新の早いパネルになります。
しかし、周辺の光を電子ペーパーで反射し、それをフィルターに通して表示するため、全体的に暗く表示されます。
また「R/G/B/W」の各色フィルターにそれぞれ1ピクセルを割り当てているため、解像度が縦横ともに半分になってしまうという課題がありました。
 
 
多色カラータイプ「Gallery」
「Gallery」と呼ばれる電子ペーパーは、モノクロで採用していた「マイクロカプセル」ではなく「マイクロカップ」を採用し、カラーの顔料を混ぜ合わせることでフルカラーを実現したパネルになります。
 


Gallery インクのイメージ図


 
多彩な表現が可能となった反面、顔料の制御が非常に難しく、使用温度範囲が最も狭い電子ペーパーとなっています。
 
 
4色カラータイプ「Spectra 3100」
この温度範囲の課題に対応したのが、「Spectra 3100」と呼ばれる電子ペーパーになります。
「Gallery」ではマイクロカップ内でインクの位置を微妙に変化させることで色を表現していましたが、「Spectra 3100」では「白・黒・赤・黄」の4色のみを表示し、これを細かく点描することで階調を表現しています。(これを「面積階調」と言います)  


Spectra 3100 インクのイメージ図


 
しかし、使用するインクに「青」が含まれないため、フルカラーを表現するには課題が残っていました。
 
 
6色カラータイプ「Spectra 6」
これらの課題を解決するために開発されたのが「Spectra 6」になります。
 


Spectra 6 インクのイメージ図


 
使用するインクに「白・赤・青・黄」の4色を採用し、これらを混ぜ合わせることにより、面積階調でフルカラーを実現しています。
表示更新速度はモノクロタイプの「Calta」に及ばないものの、「Gallery」の半分程度まで短縮され、使用温度範囲も一般的な電子機器と同程度を実現しました。
 
 
クレアでは、この最新の「Spectra 6」を採用した「EPS s-color」を実用化し、これまでの「EPS」では実現の難しかった、色鮮やかな商品広告や注意色を含めた掲示など、幅広い分野でお使いいただけるように商品を展開してまいります。
これら電子ペーパーの特徴をご理解いただき、用途に合わせて最適なソリューションとして電子ペーパーサイネージ「EPS」をご活用ください。
 
 
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