トリビア

【電子ペーパーのトリビア Vol.7】液晶ディスプレイと電子ペーパーとの構造比較

今回取り上げるテーマは、デジタルサイネージに使用されるディスプレイの構造のお話です。
 
■液晶ディスプレイの構造
普段目にする機会の多い液晶ディスプレイ。その名の通り液晶(LCD)を使って映像を表示していますが、その液晶を動かすための回路が付いたガラスを使ってサンドイッチ状に挟み込んだ構造をしています。
この背面にバックライトを取り付け、カラーフィルターを通してその光を見ることによって、私たちは液晶ディスプレイの映像を見ることができます。
 


液晶ディスプレイの構造

 
■電子ペーパーの構造
これに対し電子ペーパーは、インクの入ったフィルムに対して、表面に保護シート、背面にガラスまたはプラスチックで作られた、インクを動かすための回路の付いたフィルムで挟んだ構造になっています。
電子ペーパーは、紙と同様に外からの光の反射により映像を見ることができるため、バックライトは必要ありません。
 


電子ペーパーの構造

 
これら構造の違いによって、電子ペーパーは液晶ディスプレイに比べて、より薄型にできる特徴があります。
 
 
■電子ペーパーの材質 プラスチック製とガラス製


実際の電子ペーパー

 
写真のように、電子ペーパーは厚さ1mmにも満たない、非常に薄いデバイスです。
 
プラスチック製の回路を採用した電子ペーパーであれば、割れにくい素材であるため、強度を気にせず非常に軽い製品を実現することができます。
このため、弊社の「EPS lite」のような、タブレットサイズのものに採用されています。
 
一方、弊社の「EPS」のような大型の電子ペーパーでは、インクを動かすための回路がガラスで作られています。プラスチック製のものに比べて生産性が高い反面、割れやすいものになっています。
このため、大型の電子ペーパーサイネージでは、強度を持たせた頑丈なつくりとなっています。
 
現在開発中のカラー電子ペーパー「EPS s-color」で採用されている電子ペーパーはガラス製のものが使用されており、電子ペーパーの特徴を生かして2cmを切る薄さを実現しています。
その薄さと、モバイルバッテリーでも動作する低消費電力といった特長から、手軽に設置できるデジタルサイネージとして、これまで液晶ディスプレイでは設置の難しかった場所での活用が見込まれています。

 

 
 
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